HOME > 当院で受けられる手術・治療 > フェイキックIOL有水晶体 > ICL
概要・特長など
ICL (後房型フェイキックIOL: 後房型有水晶体眼内レンズ)手術とは
ICL((Implantable Collamer Lens)後房型フェイキックIOL)手術は眼球内の虹彩と水晶体の間にある後房にレンズを移植して、近視・遠視・乱視を治す方法です。
LASIKが受けられない強度近視の方や角膜が薄い方に有効な屈折矯正方法です。
『ICL』は1997年にヨーロッパでCEマークを取得し、2005年には米国FDAより認可を受けています。『ICL』は12年以上の長期インプラント(移植)の実績があり、2009年12月時点で世界64ヵ国、165,000眼にインプラント(移植)されています。
『ICL』は日本国内で実施した臨床試験データを元に、2010年2月に厚生労働省より有水晶体後房レンズ(医療機器製造販売承認番号:22200BZY00001000)として承認されました。
ICLの素材
当院で使用している後房型フェイキックIOLは、アメリカのStaar Surgical社製のICLです。レンズはハイドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とコラーゲンの共重合体素材「コラマー(Collamer)」からできています。生体適合性の良い素材で、半永久的にメンテナンスフリーで使用できます。387nm以下の紫外線を90%以上カットする特性も備えています。また、レンズが柔らかく折りたたむことが可能なため、レンズを眼内に入れるための切開創が小さくて済みます。
ホール(穴あき)ICL
2013年1月よりホール(穴あき)ICLを導入しました。
これまでは、眼内にICLを入れると眼内の水(房水)の流れが変わり眼圧が上がるため、虹彩切開術をおこなっていました。ホールICLはレンズの中心に作られた穴を房水が通るため虹彩切開術が不要となりました。大変小さな穴で視力への影響はありません。
遠視用などホールICLが製造されていない度数もあります。
手術を受けられる方(対象者)
適応と禁忌
ICL手術を受けることができるのは、次の適応に該当する方です。あくまで目安ですので、詳しくは検査を受けてからの判断となります。
適応(適している人)(2019年3月現在 ICL適応ガイドライン)
- 年齢21歳以上(45歳ぐらいまでが望ましい)
- 術前の近視度数が-6.0D以上の強度近視(慎重適応:近視度数が-3.0D以上-6.0D未満、-15.0D以上)
- 術前の乱視度数が1.0D〜4.0D
- 前房の深さが2.8mm以上
- 角膜内皮細胞密度最低値
年齢21〜25歳 2800個/mm2以上 年齢31〜35歳 2400個/mm2以上
年齢26〜30歳 2650個/mm2以上 年齢36〜40歳 2200個/mm2以上 - 非進行性の軽度円錐角膜(慎重適応)
禁忌(適していない人)
- 目の病気がある方(白内障、緑内障、網膜疾患、虹彩/ぶどう膜炎、水晶体亜脱臼、偽落屑症候群など)
- 散瞳不良の方
- 妊娠中、授乳中の方
- 重篤な全身疾患をお持ちの方(重篤な糖尿病、膠原病など)
- コラーゲンに対する過敏症のある方
- 全身疾患、眼科疾患を伴うことを理由として医師が不適当と判断した方
- 医師の説明を理解していただけない方
ICL (後房型フェイキックIOL)手術の流れ
次の手順で手術を行います。手術室に入ってからの手術時間は片眼約20分です。
- 点眼麻酔をします。
- 耳側の白目と黒目の境目の角膜を数ミリ切開します。
- 切開創からICL を挿入します。
- ICLを虹彩と水晶体の間に挿入します。
- ICLの位置を調整し、良ければ目薬で瞳孔を縮めて手術は終了です。
後房型フェイキックIOL(ICL)使用免許証
日本眼科学会のガイドラインには、『屈折矯正手術は日本眼科学会認定の眼科専門医であると同時に、
日本眼科学会の指定する屈折矯正手術講習会、および製造業者が実施する設置時講習会の両者を受講することが必要である。』
と定められている。
当院で行う屈折矯正手術(LASIK、フェイキックIOL、角膜リング、多焦点眼内レンズ手術)はすべて上記条件を満たした
医師が行っています。
眼科専門医とは、眼科の専門教育を5年以上受け、日本眼科学会が実施する専門医認定試験により専門医制度認定証を得た医師のことで、日本の眼科医に認められている唯一の専門医制度です。
ICL (後房型フェイキックIOL)のメリット・デメリット
メリット
- 強度近視や角膜が薄いためにレーシックやPRKが適応外の方でも、手術をすることができます。
- 角膜を切除せずに近視や乱視を治すための眼内レンズを挿入するので、光学的な損失がありませんし、調節力が温存されます。
- 万が一レンズが合わなかった場合や、将来屈折変化が生じた場合、レンズを交換することが可能です。
- レンズを取り外せば、手術前の状態に戻すことができます。
デメリット
- レンズが届くまで少し時間がかかります(2週間〜1カ月)。
- 白内障の手術をする際は、レンズを取り外すようになります。
- まれに白内障を誘発することがあります。
- 手術後しばらく眼圧が高くなることがあります。
- 虹彩に穴をあけるため視野の下方で光がピカピカ光ることがあります。
術前から術後までのながれ(治療の流れ)
受診日1 |
---|
適応検査 手術申し込み・日程決定 術前検査の前にコンタクトレンズを装用している患者様へ・・・ |

受診日2 |
---|
術前検査 (1) ※検査の一つにひとみ(瞳孔)を大きく広げる目薬(散瞳剤)を使用する検査があります。点眼後4〜5時間は目薬の作用で見えづらくなったりまぶしくなったりします。車やバイクの運転は控えてください。 |

受診日3 |
---|
術前検査(2) ICL発注 当院よりお電話にてご連絡 ※レンズを発注しますので当日お帰りの際に1階会計でレンズ代金をお支払いただきます。レンズは個々にオーダーするため、レンズ発注後に患者様の都合でキャンセルされた場合は返金することができませんのでご注意ください。 ※遠視などホールICLを使用しない場合は、レーザー虹彩切開術が必要なことがあります。 |

手術当日 |
---|
手術(ICL挿入) ※ICLは両眼同日に手術することができます。 |

術後診察 |
---|
術後の検査・診察 |
ICL (後房型フェイキックIOL)手術費用
適応検査費用
適応検査費用 | \11,000(税込) |
---|
※適応検査費用は受診前にお支払いいただきます。検査後、手術適応の可否にかかわらずお支払いいただきました料金につきましてはご返金致しかねますのでご了承ください。
手術費用
片眼 | ¥330,000(税込) |
---|---|
片眼(乱視用) | ¥385,000(税込) |
※手術費用には術前検査料、レンズ代金、手術施行料、手術後3カ月の定期検診費用、手術に必要なお薬代が含まれています。
※術前検査(2)が終了したらレンズを発注致します。レンズ代金として片眼¥220,000(乱視用の方は¥275,000)を術前検査(2)に来院されたお帰りの際に1階会計でお支払いください。レンズ発注後に患者様のご都合でキャンセルされた場合は返金できませんのでご注意ください。
※手術当日に手術費用の残金をお支払いいただきます。来院されましたら1階会計にお立ち寄りください。
( 片眼:¥110,000 (税込))
お支払方法
お支払いは、現金またはクレジットカード(JCB,VISA,マスター,DC,ミリオン,アメックス,オリコ,セゾン,各種クレジットカードの取り扱いも可)の一括払いとなっております。費用の件で何かご不明な点がありましたら1階受付にお尋ねください。
生命保険の取り扱いについて
フェイキックIOL手術は保険適応外で自由診療となります。ご自身で生命保険にご加入の場合、生命保険会社およびご契約内容によっては手術代金の一部が支払われる場合があります。詳細につきましてはご加入の生命保険会社にお問い合わせください。